■たわごとですかーっ!!■



▼【没頭し、そして油断する】03/03/18

人は没頭すると気付かないうちに思いも掛けない行動を起こしていることがある。それは、自分の意識とはかけ離れた部分で作用し、己の肉体を動かすのだ。

昼、喫茶店のランチを食べる。
仕事の合間の束の間の休息である。だがしかし、仕事の合間だけあって、仕事は頭から離れることはない。むしろ、気に掛かることばかりだ。
気になる仕事を頭に浮かべつつ、ランチを食べる。
このような状況下でのランチは、時として思いも掛けない事態を招く。
ふと我に返り手元を見ると、なんとも困ったことに気が付くのだ。

「割り箸が逆さま」

つまり、割り箸の上下を逆に持って食べているのである。
気付いたときにはもう遅い。
それがオレのこだわりだと言い張れば、それで済む問題なのかも知れない。だがしかし、そんなこだわりを誰が認めてくれよう。

差し当たって今問題なのは、ばれてしまうことだ。なにしろばれるのは相当にまずい。
どうのこうの言ったところで、所詮割り箸が逆さまだからだ。
ばれたときの事を考えて見たまえ。その噂はあっと言う間に広がり、世の人々は口々にこう言うだろう。
「あれが割り箸を逆さまに持ってランチを食べる男だよ」
あまりにも当を得た指摘であり、ぐうの音も出てこない。中には指を差す者までいる始末である。
そうとなったら、誰にも気付かれることなく、逆さまの箸で食べるしかないじゃないか。
もう仕事どころの話しではない。
いま直面している問題は逆さまの箸なのである。
ひたすら、廻りに気付かれぬよう、慎重かつスピーディに食べるだけなのだ。

ほんの5分のことが、1時間にも2時間にも感じられる。
そんな極限状態の中、やっと食べ終わった。どうやら気付かれなかったようだ。
思わず、ホッとする。
ホッとしながら、食後の爪楊枝を取った。
しかし、このホッと、がいけなかったようだ。
あまりにもホッとし過ぎたため口に持っていくはずの爪楊枝を、ぽっぺたに刺してしまいました。
ほっぺたを爪楊枝で刺してしまったらどうなるかお分かりだろうか。
「チクっとする」
経験者だから分かることである。
なんとも情けない結果であることが誰の目にも明らかだ。
まだ、「ズキっとする」とか「ズキンとする」ならまだいい。なにしろ大の大人が「チクっとする」のである。
爪楊枝をなめてかかるとこうなると言う典型的な例だ。

没頭、そして油断は紙一重なのだ。
このようなことから分かること、それは…
ただのおっちょこちょいだよ、それ。

byクムラ〜


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