■たわごとですかーっ!!■



▼【この目で見ないことには】03/03/11

オカルトである。季節外れなことは分かっている。
分かっちゃいるが、どうしようもなくオカルトなのだ。
オカルトと聞いて、何を思い浮かべるだろう。
オリバー君などと言う者は、いまどきなかなかまれなのではないか。
オカルトと言えばまずは幽霊だろう
その存在は、それを認める者、認めない者と真っ二つに別れる。しかしその答えは永遠に明かされることはない。
このオレはと言うと、幽霊など昔から信じないたちである。この目で見ないことには、気が済まないのだ。

しかし、そんなオレの常識を覆すような体験を過去にしたことがある。
いつのことだっただろう。もうずいぶん昔のことである。
ある日オレはこたつの中で横になっていた。どうやら、こたつの中で寝てしまったらしい。いったいどれくらいの間寝ていたのだろう。家族の騒がしい声で目が覚めた。

そして起きあがろうと体を動かそうとしたのだが、どうも様子が変である。
起きあがれないのである。いくら力を込めても体はビクとも動かないし、声を出そうにも金魚の様に口をパクパクさせるだけなのだ。

そのコタツには、おふくろと親父、そして妹が入っていたのだが、見るとミカンを食べながらテレビを見て笑っているではないか。まさに一家団らん和気あいあいとはこのことである。まったくもって平和な一家である。
それにしたって、これだけオレが口をパクパクし、もがき苦しんでいるというのに、和気あいあいはないじゃないか。
家族の誰一人もこの事態に気付かない。せいぜい延々と眠りこけるバカ息子くらいにしか見えないのだろう。

この現象を一般的に金縛りと言うらしい。しかしこの際金縛り状態であることはどうだっていい。
声も出せずもがき苦しんでいるオレの傍らで、ミカン片手にテレビを見ながら大笑いしているその状況が問題なのだ。
コタツと言う同じ空間にあって発生するこのギャップは、それがただの金縛りでないことを再認識させる。

なにしろ皆が団らんしている傍らで、口をパクパク、もがいているのである。これほど切ない金縛りがあるだろうか。
もがきながら、いつしかその恐さが怒りに変わっていく。
怒りに打ち震えつつ、どうすることもできないオレはついに決心し、自分自身にこう言い聞かせた。
「もう一回寝ようっと」
そのことを一般的に「二度寝」と言うが、いま自分に起こっている状況とは裏腹に、努めて明るく振る舞って見ました。
とにかく今言えることは、寝て発生した問題は、寝て解決するしかないと言うことだ。

それでもオレは幽霊を信じない。
この目で見ないことには気が済まないのだ。
くれぐれも目の前に現れないことを祈る。

byクムラ〜


|Back|  |Next|

|Top|