■たわごとですかーっ!!■



▼【妄想パラダイス アフターファイブはこう過ごす】 05/06/05

アフターファイブ。自宅のプールでオレは時を過ごす。昼間のハードな仕事の疲れを癒す、オレの貴重な時間だ。
「Puu!Puu!」
おっと、いけない。タクシーだ。すっかり忘れていた。
そう、今夜は、ダウンタウンへ繰り出し、心身のリフレッシュを決め込むつもりだったのだ。
さっそうとタクシーへ乗り込むオレ。道中、気分は最高潮に達する。
タクシーを降りると、そこはネオンちらつく繁華街である。いかすレディもよりどりみどりだ。心なしか、オレへの視線も熱く感じられる。それももっともな話だ。
ふと気が付けば、海パン一丁である。
つまり、急なタクシーの到着に慌て、すっかり身支度をするのも忘れてしまったようだ。だがしかし、いくらなんでもダウンタウンに海パン一丁はないじゃないか。
いまさら悔やんでもしょうがない。こうなったら今夜は海パン一丁でダウンタウンを闊歩だ。
そうとなったらもう恐い者はない。

一軒の花屋に入り、オレは黄色いバラの花束を買った。そのバラを口にくわえ、オレはダンスフロアーへと入る。
一人の女性に目が止まる。スタイル抜群のいかしたレディだ。オレはひたひたと寄っていき、おもむろにキスをせがんだ。
いきなりビンタである。
こんな理不尽なことがあるか。
どうやらいきなりのキスはまずいらしい。
当たり前だけど。
オレは気を取り直し、今度はもう少し慎重にと、自分に言い聞かせ、また別の女性にアタックを開始した。
今度の女性はうまくいきそうだ。映画の話や、ファッションの話で会話が弾む。
そして頃合いを見計らい、オレはくわえていたバラの花束を彼女に渡した。
いきなり投げ捨てる彼女。
どうやら黄色のバラはお気に召さなかったらしいが、予想外のいきなりな行為にオレは気が動転してしまい、向かった先はステージだった。
オレはステージの上で踊りまくった。
いったい何の曲に合わせて踊っていたのかは分からない。もしかしたら、マイムマイムだったかも知れない。一人でマイムマイムは寂しいじゃないか。
しかし、いまはただ踊るしかないのだ。それがオレの心の傷を癒す、唯一の手段だからだ。
ふと廻りを見渡せば、ここで踊っているのはオレ一人。
そんなことはかまいやしない。恋に破れた男の、これが生き様だ。

ひとしきり、海パン一丁で踊り疲れたオレは、すっかり気分も持ち直し、再び女性に声を掛ける。
今度はなかなか良い雰囲気で会話は弾む。
そろそろ勝負だ。しかし、いまのオレには何もない。あるのは海パンいっちょうだ。
いくらなんでも、その海パンをプレゼントするわけにもいかず、いそいでさっきの花屋に駆け込んだ。そして今度は黄色ではなく赤いバラの花束を買った。
颯爽と、彼女の元へ駆け寄るオレ。
すでに彼女はいなかった。

恋のナイトフィーバーは終わった。
帰宅するとオレは部屋に入る間もなく、再びプールで泳いだ。気が付けば朝だった。
我に返ると水の冷たさがいっそう体に沁みたのだった。


これらはすべて妄想であり、実在の人物とは一切関係ないことを願います。

byクムラ〜



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