◆たわごとですかーっ!!◆



▼01/8/25【携帯電話公害】

いまの世の中、携帯電話が必需品だ。もう大人も子供も猫も杓子もである。猫も、ってことはないが。
ふと、道を歩いている若者を見ると、ほとんど皆と言っていいほど、携帯電話を見つめながら歩いている。まさに携帯電話花盛りである。
携帯電話のない時代の人が、携帯を見つめながら歩いているその姿を見たら、いったいどう思うだろうか。なんかの新興宗教信者が霊験あらたかな札でも見ているのだと思われてもしょうがないだろう。
何しろ、まるで携帯電話を持っていないと、何か間違っているのではないかと錯覚してしまうくらいなのである。
では、持っていない人はどうすればいいと言うのか。諦めるのは早い。
筆箱を持って街に出よう。それを見つめながら歩けば、あなたも立派な携帯電話ユーザーである。
たまにそれを耳に当てれば、効果倍増であろう。
更にそれに向かって話し始めれば、それは単なる危ない人である。あまりお勧めはしない。
そんなことはどうでもいいのだ。

さて、携帯電話の着信音は、いまやメロディである。着メロと言うやつである。これがなんともいろんな種類がある。
しかも和音まで奏でる機種もある始末である。流行のポップスはもとより、映画音楽、クラシック、アニメ、なんでもござれだ。しかし、ここに落とし穴があるのだ。
あるとき、会社の利益を大きく左右するような、重要な契約の打合せをしていたときである。ときには声を荒らげ、ときには神妙に、それはそれは深刻かつ真剣な打合せであった。
そんな中、突然、一人の携帯電話が鳴った。
「ドラえもん」である。「あんなこっといいなっ」のあの曲である。
これにはまいった。こういった場面で、こういう場面にそぐわない状況が突然起こると、私はいったいどうしたらいいか分けが分からなくなるし、意味もなく何かしら腹立たしくもなる。
それにしても、いい大人が「ドラえもん」ってことはないだろう。それが、自分自信の思い出のアニメだとしてもだ。
なんだか、自分のこの厳粛な時間を、ドラエもんに踏みにじられたような気がした。
再び打合せが始まる。そして・・・
「サザエさん」である。しかもよりによって、愉快なエンディングの方である。
なんだか、無性に情けなくなってきた。
「あんたら、センスというものがあるのかい!」と喉まで出かかった。
しかし私は大人である。眉間にしわを寄せるだけで気持ちを抑え、気を取り直し、何事もなかったかのように、再び打合せを始める。
そして・・・
私の携帯からゴジラのテーマが猛々しく鳴った。


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