◆給食と私◆

             その弱肉強食の世界

学校の頃の思い出と言えば、まず給食が思い出される。
そのときいつも始まるのが、残ったおかずの争奪戦である。
先生の提案で、「パンを半分食べたものから、おかずおかわりしてよし」
ということになった。人気のあるおかずのときはそこで皆必死に
コッペパンをかじり始める。
その内工夫を凝らすものが出てくるのは世の常、みんなあれやこれや
考える。そして私はついに、目を見張る画期的な大技を編み出したのである。
いただきますの号令と同時にコッペパンをたて、それを
上から一気に押しつぶしせんべい状態にしてしまうのである。
そしてそれをあっと言う間に半分食べてしまう。
グルメなんて言葉などなかった、そんな弱肉強食の時代であった。