リングスに明日はあるか?

だって、リングス選手4名が退団した。リングスの生え抜き、山本と成瀬、坂田、そしてリングスジャパンのエース、田村だ。
ここのところのリングスの低迷を象徴する出来事といえる。
リングスも旗揚げして10年を経たわけだが、その当時は、より実戦に近く、妥協を許さない画期的なルールということで、次第に市民権を得、選手の層も厚くなっていった。その間、K−1、PRIDE、シュートなどの団体が活況をせいしてきたが、リングスはリングスなりの世界を構築していったのである。しかしそれ以上に格闘技界を取りまく環境は変化していった。そしてリングスもまた、それに合わせて変化して行かざるを得なかったのである。しかしその変化がちょっとずつずれていってしまったようだ。そしていま、リングスは非常に厳しい状況に置かれている、というか、そのようにオレには見える。
なにが、リングスをここまで衰退させてしまったのか、その問題点を探って見ると、まず問題の一つに、興行の問題がある。以前は1月に一回というペースで定期的に行っていた興行も、現在は2ヶ月に一回。これではいま一体なんのシリーズをやっているんだかピンとこない。ファン失格と言われるかも知れないが、気楽に観戦しているファンもまた大切なのである。それが強いては新しいファンを獲得するのだから。
ルールもまた、二転三転した。PRIDEの影響も少なからずあるのだろうが、これがかえって中途半端な結果となり、オリジナリティのない、魅力半減の一因となった。リングスはリングスで良いではないか。へたに他の団体に惑わされては結局、どっち付かずの非常にわかりにくいものとなってしまう。
そして、一番のネックは、日本人スターの不在である。それも強いスターである。前田日明全盛の頃は彼が絶対的存在であり、いつも優勝戦線の先頭に立っていた。しかしいま、どの大会においても日本人は早々に姿を消す。これではいくら外人選手の中に魅力的な選手がいても、興行的にはつまらない。まずは、日本人スターの登場。これに尽きる。
まだしばらくリングスの苦悩は続くだろう。前田日明はこの状況からの建て直しにどう対応するだろうか。
そしてまた6月15日、ワールドタイトル決定トーナメントにおいて日本勢が全滅した。