<リングス メガバトルトーナメント KingOfKings>

グランドファイナル 2000年2月26日
試合結果
<準々決勝>
 ○R・ババル<腕ひしぎ>I・ミーシャ×
 ○D・ヘンダーソン<判定>G・アイブル×
 ○A・ノゲイラ<判定>A・コピロフ×
 ○田村<判定>ヘンゾ・グレイシー×

あの人間凶器とも言える、アイブルの猛攻撃を巧みに
あしらうヘンダーソンの技術が光る。
前大会の1、2回戦で秒殺勝ちを収めた期待のコピロフは
1Rでスタミナを完全に使い果たした。
この時点で、リングス勢の勝ち残りは、田村のみ

<準決勝>
 ○D・ヘンダーソン<判定>A・ノゲイラ×
 ×田村<判定>R・ババル○

ヘンダーソン、疑惑の判定勝ち。
攻めきれない田村、僅差の判定負け。
リングス勢全滅。

<決勝>
 ○D・ヘンダーソン<判定>R・ババル×

優勝は、だれも予想しなかったであろうレスリングで
シドニー5輪を目指すアメリカ人、ダン・ヘンダーソン。



◇田村の課題
この日注目の一戦は、田村vsヘンゾ・グレイシー。
一回戦でこの両者は激突した。
結果的には田村の判定勝ちであった。しかしポイントほどの
差はなかったように思う。1Rなどは完全にヘンゾのペースで、
フロントネックロックを決められたときには、これで終わりかも
とも思われた。2Rはたしかに田村が上になることが多かったが、
必ずしも主導権を握っているようには見えなかった。
延長でも良かった様に思うが。
試合後、ヘンゾはリング上では納得し、田村を祝福している
ように見えたが、けっして負けとは認めないだろう。

田村は次のババル戦で判定負けとなるのだが、どうも見ていて
田村の動きそのものが萎縮しているように思えた。
大一番なので、それも仕方ないと言えばそれまでだが、どう
考えても田村が優勝する図が思い浮かばないのである。
やはり、なにかが不足しているのは否めない。
それは何か、、、本来の自己の実力以上の相手に対する気迫。
どんなに劣性になっても、気持ちだけは相手を呑む、この気迫。
A猪木しかり前田日明には、それがあったように思う。
それが、この格闘技界で、カリスマと賞賛されるための条件だろうか。


◇ルールに思う
この大会、試合形式は、5分2R制、延長1R。
一日数試合という過酷な条件の中、選手はどうしても後の試合の
ことを考え、無理せず、できればポイントを稼いで判定勝ちの
パターンを狙っていく。こう考えるのはしょうがないことで選手に
文句は言えない。長ければ良いというものでもないが、やはり
1R5分というのはちょっと短い。せめてPRIDEルールの10分
は欲しいところではないかと思う。
リングスのルールでは、膠着状態になったとき、ブレイクする
というのがあるが、これはこれで見る側にとっては歓迎されるものと思う。
しかし、5分という短い時間、グランド主体の選手は何度も
タックルで相手を倒し、時間を稼いでいけば決めはできなくとも
ポイントは稼ぐことができる。
1Rで優勢だと判断すれば、なおさら2Rでは無理はしないだろう。
まあ、グランド主体の選手に取ってはこれからというときにブレイクされるという
不利もあるにはあるが、そのブレイクするレフェリーのタイミング、判断も
難しく、そのうちブレイクされない、されにくい試合運びを
する選手、悪く言えば、ずるい選手も多くなってくるだろう。

判定に関しても課題を残す結果となった。
結果的に優勝した、ヘンダーソンとノゲイラとの一戦。
私も、そして観客も終始攻勢だったノゲイラの判定勝ちと
思っていた。しかし判定は・・・
当然、観客からもブーイングがあがる。
体重差を考慮したとの発表。しかしルールにはないようである。
田村が決勝に残った場合の対戦する相手を考慮したわけでは
ないだろうが、、、
どちらにせよ、その辺のルールの説明を選手にきっちり
しておかなくては、彼らも納得できないだろうし、見ている方も
すっきりしない。

過去何度も試行錯誤しながらルールを変更していったリングス、
今後はこのルールを主体に開催していくとのこと。
客は皆、勝ちにいく選手の試合を見たいのではなく、
倒しにいく試合を見たいのである。
このルールが今後のリングスに吉と出るか凶と出るか。